性格を理由として後から内定を取り消すことはできるか

Ⅰ事件概要

大学卒業を控えた学生が企業から採用内定の通知を受け、他社の選考を辞退しました。その後、企業側は「学生の性格が陰気である」という理由から、突然内定を取り消しました。大学卒業まで時間がなく、取り消しの時期が遅すぎたために学生は他社への就職活動をやり直すこともできなくなり、「内定の取り消しは無効だ」と企業を相手に裁判を起こしました。

Ⅱ今回の争点

「採用内定」が法律上でどのような状態を指すのか、そして、企業側はどのような理由があれば、一度出した内定を取り消すことができるのかが主な争点となりました。

Ⅲ判例内容

最高裁判所は、内定が出た時点で「条件付きの労働契約」が成立していると判断しました。そのため、内定の取り消しは、一般の解雇と同じように「誰もが納得できる客観的で正当な理由」がなければ認められません。
「性格が暗い(陰気)」ということは面接の段階で企業はそのことを認識できたにもかかわらず、その後性格を理由に内定を取り消すことは解約権の濫用となり、裁判所はこれを労働契約の解約は無効と判決した。

Ⅳ労務管理上のポイント

原則、企業はどのような人を採用するかは自由に決めることができます。
それは新卒採用でも中途採用でも同じです。
しかし、内定を出したあとは「雇用契約を結ぶこと」と同等の重みがあります。そのため、企業側は後から内定の取り消しは原則できません。

今回のケースの場合、内定を出す前に面接や適性検査で人物をしっかりと見極めることが重要です。そのうえで内定を取り消す場合は、学校を卒業できなかった」「虚偽の経歴があった」など、内定時に知り得なかった重大な理由でないといけません。

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